国立がん研究センター(NCC)は、日本最大のがん専門医療機関グループです。中央病院(東京都中央区築地)と東病院(千葉県柏市)の2施設があり、それぞれ異なる強みを持ちながら多数の治験を実施しています。がんの治験への参加を考えている方にとって、最初に情報収集すべき施設の一つです。
中央病院(築地)と東病院(柏)の違い
| 項目 | 中央病院(築地) | 東病院(柏) |
|---|---|---|
| 所在地 | 東京都中央区築地(地下鉄築地市場駅近く) | 千葉県柏市柏の葉(TX柏の葉キャンパス駅徒歩) |
| 主な治験フェーズ | 第Ⅱ・Ⅲ相(承認申請試験)が多い | 第Ⅰ相(早期探索試験)が充実 |
| 得意領域 | 消化器がん・婦人科がん・白血病・希少がん | 肺がん・消化器がん・新規ADC・FIC(初の人体投与) |
| 治験窓口 | 臨床研究支援部(がんゲノム窓口含む) | 新薬開発センター・臨床研究支援部 |
| ゲノム検査 | がんゲノム医療中核拠点(遺伝子パネル検査あり) | ゲノム解析設備も充実 |
両施設は同じ「国立がん研究センター」ですが、別病院として運営されています。参加したい試験がどちらの施設で実施されているかを確認してから問い合わせてください。
国立がん研究センターで実施中の主な治験
本サイトで紹介している試験のうち、国立がん研究センターが参加施設となっている主なものを紹介します。
- Destiny-Gastric05(T-DXd):HER2陽性胃がん対象のADC試験。中央病院・東病院両施設が参加(日本17施設の一つ)
- TROPION-Lung08(Dato-DXd):非小細胞肺がん対象のADC試験。東病院が日本27施設のうちの一つとして参加
- シグボタタグ ベドチン試験:非小細胞肺がん対象の新規ADC試験
がんゲノム医療と治験のつながり
国立がん研究センターはがんゲノム医療の中核拠点として、「がんゲノムパネル検査(FoundationOne CDx・OncoGuide NCCオンコパネル等)」を実施しています。この検査で遺伝子変異が判明すると、その変異に対応した治験を紹介してもらえる場合があります。
このルートは特に「標準治療が尽きた」「希少がん・希少変異で治療選択肢が少ない」患者さんにとって重要な選択肢です。
- 担当医に「がんゲノム検査を受けたい」と相談
- 遺伝子パネル検査を実施(保険適用あり・条件あり)
- エキスパートパネルで結果を評価
- 合致する治験・薬剤があれば施設を紹介・または院内で参加
問い合わせ・受診の手順
国立がん研究センターへの問い合わせ方法は主に以下の3つです。
- 担当医からの紹介(推奨):現在の担当医に「国立がん研究センターで治験を受けたい」と伝え、紹介状(診療情報提供書)を作成してもらう。受診がスムーズ
- 「がん相談支援センター」への問い合わせ:各施設内に無料相談窓口があり、治験に関する一般的な情報提供も行っている
- Webからの受診申込:公式サイトから「他院からのご紹介で受診される方」の案内に沿ってオンライン申込が可能
よくある質問(FAQ)
国立がん研究センターは紹介状がなくても受診できますか?+
緊急の場合を除き、原則として紹介状(診療情報提供書)を持参した受診を求めています。紹介状なしで受診する場合は「選定療養費」として追加料金がかかります。かかりつけ医から紹介状を取得することをお勧めします。
中央病院と東病院、どちらに行けばよいですか?+
参加したい治験がどちらの施設で実施されているかによって決まります。早期フェーズ(第Ⅰ相)の試験を希望する場合は東病院の新薬開発センターへ、後期フェーズや特定のがん種の場合は中央病院へ問い合わせることが多いです。
がんゲノムパネル検査の費用はどれくらいかかりますか?+
保険適用の条件(標準治療終了後または標準治療がないがん患者)を満たす場合、患者負担は約5〜15万円程度(3割負担の場合)です。高額療養費制度の対象となります。適用条件については担当医に確認してください。
国立がん研究センターが遠い場合はどうすればよいですか?+
国立がん研究センターが主導する多施設共同試験では、全国の都道府県がんセンター・大学病院が参加していることが多いです。本サイトの各試験ページで日本国内の参加施設一覧を確認し、近くの施設に問い合わせてください。