がん治験に参加するためには、まず「どの施設でどのがん種の試験が行われているか」を把握することが重要です。日本のがん治験は、国立がん研究センターを頂点とする施設ネットワークで実施されており、同じ試験でも施設によって採用状況が異なります。このガイドでは、がん種別に国内の主要治験実施施設を紹介します。

肺がん治験の主要施設

肺がんは日本でも治験数が最多のがん種の一つです。特にADC(抗体薬物複合体)や免疫チェックポイント阻害剤の試験が多く、複数の全国施設で同時進行しています。

施設名所在地代表的な治験
国立がん研究センター東病院千葉県柏市TROPION-Lung08(Dato-DXd)
神奈川県立がんセンター横浜市旭区TROPION-Lung08シグボタタグ試験
北海道大学病院札幌市北区肺がん・ALK/EGFR阻害剤試験
大阪大学病院吹田市肺がん・免疫チェックポイント試験
関西電力病院大阪市福島区TROPION-Lung08
新潟県立がんセンター新潟市中央区肺がん・胸部腫瘍治験
愛媛県立中央病院松山市肺がん・呼吸器腫瘍治験
宮城県立がんセンター名取市肺がん・消化器がん治験
💡 肺がん治験の参加条件として「PD-L1の発現率」「EGFR/ALK変異なし」などのバイオマーカー条件が設定されていることが多いです。参加前に遺伝子検査の結果を準備しておくとスクリーニングがスムーズになります。

胃がん・消化器がん治験の主要施設

日本は胃がん患者数が世界的に多く、消化器がん治験の先進国です。特にT-DXd(エンハーツ)・HER2陽性胃がんを対象としたDestiny-Gastric05などの国際共同試験の日本拠点施設が集中しています。

施設名所在地対象がん種
国立がん研究センター中央病院東京都築地胃・食道・大腸・膵臓がん
がん研有明病院東京都江東区胃がん・大腸がん・乳がん
愛知県がんセンター名古屋市千種区消化器がん・HER2陽性がん
大阪国際がんセンター大阪市中央区胃がん・食道がん・大腸がん

乳がん・婦人科がん治験の主要施設

  • 国立がん研究センター中央病院:HER2陽性乳がん・婦人科がんの試験多数
  • がん研有明病院:乳がん症例数国内トップクラス。ホルモン受容体陽性試験(NoLEEta等)
  • 愛知県がんセンター:乳がん・子宮がん・卵巣がん
  • 神奈川県立がんセンター:乳がん・婦人科がん・腫瘍免疫

血液がん(リンパ腫・白血病)治験の主要施設

  • 国立がん研究センター中央病院:AML・リンパ腫・骨髄腫試験多数
  • 慶應義塾大学病院:MCL(マントル細胞リンパ腫)・CLL治験(オレラブルチニブ試験
  • 大阪大学病院:血液内科・造血幹細胞移植後の試験
  • 北海道大学病院:リンパ腫・骨髄腫の北日本拠点

よくある質問(FAQ)

どの施設が一番多くのがん治験を実施していますか?+
国立がん研究センター中央病院(東京・築地)が国内最多の治験実施件数を誇ります。早期試験から承認申請を目的とした後期試験まで幅広いフェーズの試験が常時進行しています。
HER2陽性胃がんの治験に参加したい場合、どこに相談すればよいですか?+
国立がん研究センター中央・東病院、がん研有明病院、愛知県がんセンター、大阪国際がんセンターが日本における主要施設です。担当腫瘍医を通じて紹介してもらうか、各施設の治験窓口に直接お問い合わせください。
バイオマーカー検査はどこで受けられますか?+
治験参加のスクリーニングで実施される遺伝子検査(次世代シーケンス等)は、多くの場合、治験実施施設が費用を負担します。既に検査結果をお持ちの場合は持参すると効率的です。
地方在住でがんセンターがない場合はどうすればよいですか?+
近隣の大学病院腫瘍内科に問い合わせることをお勧めします。大学病院が多施設試験の実施施設として参加していることが多く、想定外に近くで参加できる場合があります。