日本の大学病院は治験の中核的な実施施設として機能しています。大きな大学病院には「治験管理センター」「臨床試験センター」「臨床研究支援部」などの専門部署が置かれており、製薬会社からの委託を受けて多くの試験を並行して実施しています。このガイドでは、大学病院での治験参加の流れと、主要大学病院の治験への取り組みを紹介します。

大学病院の治験管理センターとは

「治験管理センター」は大学病院内に設置された治験専門の管理部門です。治験コーディネーター(CRC)が常駐しており、患者の相談受付・スケジュール管理・記録管理などを担当しています。

治験参加を希望する場合、通常の外来予約ではなく治験管理センターへの問い合わせが第一歩です。担当医からの紹介状があるとスムーズですが、なくても問い合わせ自体は可能です。

💡 多くの大学病院では治験管理センターのWebページで「現在参加者を募集している試験の一覧」を公開しています。事前に施設のWebサイトで確認してから問い合わせると、より具体的な話ができます。

主要大学病院の治験実績と特徴

慶應義塾大学病院(東京・信濃町)

国内最大規模の治験実施大学病院の一つです。神経内科・精神科・血液内科・消化器内科が治験を特に多く実施しています。アルツハイマー病・多発性硬化症・血液がんなどの試験が進行中です。

京都大学病院(京都市・左京区)

iPS細胞研究の拠点としても知られる京都大学病院は、再生医療系の試験にも積極的です。神経内科・腫瘍内科・膠原病内科など幅広い診療科で治験を実施しています。

大阪大学病院(吹田市)

大阪大学病院は関西圏最大規模の大学病院として、呼吸器・消化器・血液・循環器など多診療科にわたって治験を実施しています。グローバル治験の西日本拠点として機能することも多いです。

北海道大学病院(札幌市・北区)

北日本で最大規模の治験実施拠点です。肺がん・消化器がん・神経疾患の試験を多数実施しており、北海道在住の方にとって最も利用しやすい大学病院治験施設です。

  • 治験窓口:臨床研究開発センター(HGPHI)
  • 得意領域:肺がん・消化器がん・神経疾患・循環器
  • 関連治験:TROPION-Lung08Destiny-Gastric05

三重大学病院(津市)

神経内科・神経免疫科が充実しており、多発性硬化症・視神経脊髄炎などの神経免疫疾患の治験に積極的に参加しています。東海地方の神経疾患治験拠点として機能しています。

大学病院での治験参加の流れ

  1. 問い合わせ:大学病院の治験管理センターへ電話・メール・Webフォームで連絡
  2. 事前確認:希望する疾患領域・病状・投薬状況などをヒアリング
  3. 初回受診(スクリーニング外来):担当医と面談し、参加適格性の初期評価
  4. 各種検査:血液・尿・画像・心電図・場合によっては生検・遺伝子検査
  5. インフォームドコンセント:試験の内容・リスクについて書面で説明を受け、同意書に署名
  6. 登録・治験開始:試験プロトコルに沿ったスケジュールで通院開始

よくある質問(FAQ)

大学病院の治験に参加するために紹介状は必要ですか?+
治験に関しては紹介状なしで問い合わせ・初診受付をしている施設が多いですが、スクリーニング受診の際には紹介状(診療情報提供書)があると病状・既往歴・投薬状況の確認がスムーズです。かかりつけ医に依頼することをお勧めします。
治験のスクリーニング検査は無料ですか?+
スクリーニング検査の費用については試験ごとに異なります。多くのグローバル試験ではスポンサーが負担しますが、一部は保険診療扱いになることもあります。問い合わせ時に確認しておくと安心です。
スクリーニングで不合格になった場合、費用は請求されますか?+
スポンサー負担の試験では、スクリーニング不合格でも費用は請求されないことが一般的です。ただし試験によって異なるため、事前に確認してください。
複数の大学病院に同時に問い合わせてもよいですか?+
同時に複数の同一試験に参加することはできませんが、問い合わせ段階では複数施設に連絡することは問題ありません。スクリーニングに進んだ段階で一つの施設に絞ることになります。